『気づき』(オペラ『魔笛』と悪魔崇拝)

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モーツァルトのオペラ『魔笛』。ご存じの方も多いと思います。

このオペラで、主人公の王子タミーノは様々な体験をします。これらの体験が、フリーメーソンの「イニシエーション儀式」に似ていると指摘する人が大勢います。

イニシエーション儀式とは、フリーメイソンの専門家であるシモーヌ・ヴィエルヌによれば「準備」「彼岸への旅」「新たな誕生」という三つの過程を必ず経るそうです。

この3つの過程は、ラプトブログで紹介された「変性意識状態」にそっくりです。
http://rapt-neo.com/?p=37652

(以下の文章は上記リンク先より抜粋した、人間を変性意識状態にする方法の一つ、「LSDセラピー」の内容)

第1段階:審美的領域

LSDを被験者に用いると、身体に気持ちの良い感覚を覚えたり、虫の羽音や鈴の音が聞こえてきたり、軽いビジョンを見たりといった体験がまず起きる。
美しい感覚を伴う体験だが、グロフによれば、これは無意識の中に突入する際に起こる神経的反応に過ぎない。

第2段階:自伝的(フロイト的)無意識の領域

次に被験者は、日常的に抑圧されてきたと思われる個人的な無意識を体験する。
幼児期への退行現象やトラウマの再体験などが強い感情を伴って起きる。既存の心理療法的アプローチが注目してきた領域である。

第3段階:BPM (基本的出生前後のマトリックス)

ここで被験者は「出生時の記憶」と思われる領域を再体験する。

魔笛』の物語には、イニシエーション儀式の内容が形を変えて書きこまれています。以下に、『魔笛』のあらすじを簡単に紹介したいと思います。

(第一幕)

・舞台は荒涼たる山岳風景。両端に巨峰、中央に円形の神殿。
・王子タミーノが大蛇に追われて登場。武器をもたないタミーノは大蛇の前で失神(死の象徴)。
・タミーノは、夜の女王の使者である三人の侍女に助けられる。
・タミーノのそばを通りかかったパパゲーノが、助けたのは自分だと嘘をつく。
・夜の女王の3人の侍女が、タミーノにパミーナの肖像画を渡し、パミーナがザラストロに捕らわれていることを告げる。
(ここまでがイニシエーションの第一段階、美しい感覚を伴う体験。)

・夜の女王の娘パミーナが、ムーア人モノスタトスによって鎖につながれてしまう。
・パミーナは夜の女王の身を案じ、気を失う。
・タミーノは一人の老僧と出会い、ザラストロが悪者でないことを知る。
(ザラストロはSARASTROであり、SAR(黒い)ASTRO(スター=太陽)である。また、ゾロアスターとの関係も指摘される。)
・タミーノが魔笛を吹くと、パパゲーノの笛が答える。パパゲーノ、パミーナを伴って登場する。
・モノスタトスがパパゲーノとパミーナを追いかけてくるが、パパゲーノの魔法の鈴の音に魅せられて、その場から立ち去る。
・ザラストロはモノスタトスに罰を与え、タミーノとパミーナを引き離して『試練』を受けさせる。

(ここまでがイニシエーションの第二段階、主人公は気を失い、無意識の領域(彼岸への旅)に入る。)

(第二幕)

・舞台は椰子の林。近くにピラミッドがあり、フリーメーソンの儀式を連想させる。
・ザラストロが神々に向かい、タミーノとパミーナの二人に知恵を授けるよう祈願する。
・その場に集められた秘儀参入者(僧侶)たちは同意する。
・場面は庭園、夜。モノスタトスがパミーナを誘惑しようとする。夜の女王が登場し、娘パミーナに短刀を渡して、ザラストロを殺すよう命じる。
・モノスタトスが短刀を奪い、パミーナを脅すが、ザラストロが現れてそれを止め、モノスタトスを追い払う。
・タミーノとパミーナは試練を受ける。鎧を着た男が試練の内容(Feuer(火)、Wasser(水)、Luft(空気)、Erden(地))を歌う。
・神殿の洞窟の中、夜の女王と3人の侍女は、寝返ったモノスタトスに先導されて地下からザラストロに戦いを挑もうとする。
・夜の女王が自分の娘パミーナを呪う。
・雷鳴がとどろいて、夜の女王たちが消え去る。
・試練を乗り越えたタミーノとパミーナは、互いに相手に値する存在になっており、ザラストロのもとで祝福を受け、結婚する。

(ここまでがイニシエーションの第三段階、親の死を乗り越え、別の相手と結ばれる新たな誕生。)

魔笛』に隠されたフリーメーソンイルミナティとの関連や、モーツァルトの謎の死に関してもう少し掘り下げてみたいと思います。

魔笛』には、劇中にフリーメーソンの会合で行われる主要な儀式がいくつも取り入れられています。

タミーノとパパゲーノは試練に向かう際、顔に粗布のようなものをかぶせられますが、これは徒弟参入に向かうフリーメーソン志願者のつける目隠しと同じだそうです。

第二幕の冒頭でザラストロは、タミーノがすでに「神殿の北の門を遍歴している」と僧侶たちに話しますが、フリーメーソンのロッジにおいては志願者の立つ位置は「北」と決まっているそうです。これは、参入前の志願者はまだ太陽の光に耐えるだけの力がないと考えられているからだそうです。

続いてザラストロは、タミーノが試練を受けるだけの徳性をもっていることを僧侶たちの前で宣言します。
  第一の僧:「彼は徳性を有していますか?」

  ザラストロ:「徳性を有している」

  第二の僧:「寡黙でもあるのでしょうか?」

  ザラストロ:「寡黙である」

  第一の僧:「善行を成しますか?」

  ザラストロ:「善行を成す」

フリーメーソンのロッジでは、現代でもこれと全く同じ問答が参入儀礼として行われているそうです。

ザラストロがタミーノを神殿の前庭に導く際や、タミーノとパミーナが試練を受け際に和音が三度鳴りますが、これはロッジの扉を三回叩くことに符合するそうです。

ここからは私の推測ですが、魔笛の中にあるフリーメーソンイルミナティとの関連については、歌われているアリアにもあると思います。

このオペラでもっとも有名なアリアは夜の女王のアリア『復讐の炎は地獄のように我が心に燃え』です。とても高い音を歌うことが要求されます。一番高いファの音は、音名で言うとF6と言います。

この「F」はフリーメーソンの頭文字であり、また、アルファベットの「6」番目の文字でもあります。

ちなみに、ザラストロもアリア『おおイシスとオシリスの神よ』を歌っています。

このアリアでは低い音が歌われていて、音名で言うとF1です。つまり、このオペラに使われている音の最低音F1から最高音F6までの間に、Fの音が「6」個並んでいるのです。

「6」という数字は、ご存じのとおり新約聖書ヨハネの黙示録」13章18節に出てきます。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/獣の数字

「ここに知恵が必要である。賢い人は、獣の数字にどのような意味があるかを考えるがよい。数字は人間を表している。そして、数字は666である。」

また、魔笛の初演はモーツァルトの死の「66」日前でした。下記リンク先によると、その死体には足の付け根から腹にかけて腫瘍がたくさんあり、毒物中毒の様相を呈していたそうです。

また、死の半年前にモーツァルトが妻コンスタンツェに「誰かがぼくに毒を盛ったようだ」と語ったそうです。
http://oo11.web.fc2.com/MM/MozDth_fr.htm

上記リンク先で死因として疑われているのが「水銀中毒」です。

水銀に関しては、ラプトブログでも取り上げられています。
http://rapt-neo.com/?p=39562

また、当時のウィーンでは遺体は数日安置されてから埋葬されるのが普通なのに、モーツァルトの場合は検死も不十分なまま、すぐに貧民用の共同墓地に運ばれており、今ではそのありかも不明になっています。

別のサイトでは、モーツァルトの親友で裁判所の書記官をしていたホーフデーメルが、モーツァルトの死に絡んでいた可能性を指摘しています。

ホーフデーメルの妻、マグダレーナはモーツァルトのクラヴィーア(鍵盤楽器)の弟子で、両者は不倫の関係にありました。
http://k-mogi46.info/index.php?5、ホーフデーメル事件に見る撲殺説の真相

上記サイトではホーフデーメルがモーツァルトを撲殺した可能性に触れています。頭部の激しい打撲が死因になったそうです。マグダレーナは妊娠5か月であり、モーツァルトの子どもではないかと言われていたそうです。

モーツァルトの死の翌日、マグダレーナはホーフデーメルから首、肩、両腕を刺され、顔を傷つけられて血の海に横たわっているところを、ホーフデーメル宅から聞こえる罵声や怒声(「俺はもうおしまいだ!もう家を出られない。死ななくちゃならんのだ!」「いいか、お前は誰にも渡さんぞ!おれと一緒に死ぬんだ!」など)を聞いて駆けつけた人たちによって発見されました。

ホーフデーメルは、鍵のかかった別室で喉を切り、片手にかみそりをもった状態で死んでいたそうです。妻を切りつけた後で自殺したと思われます。

一見すると痴情から来る犯行のように見えます。おそらく一般の方々はそれで納得するでしょう。しかし、真実はさらに奥にあると私は思います。

モーツァルトの周囲にいた男性は全てフリーメーソンリーでした。モーツァルト本人もそうですし、ホーフデーメルも、モーツァルトの主治医クロセットもそうでした。

また、魔笛の脚本を書いたシカネーダー(旅一座の座長として自ら台本を書き、俳優、歌手、演出家を兼任していましたが、魔笛の成功によりウィーンの劇場支配人にまで上り詰めました)もそうでした。

そして、モーツァルト最大の後援者であり、葬儀委員長も務めたゴットフリート・ヴァン・スヴィーテン男爵もフリーメーソンリーでした。

スヴィーテン男爵はウィーンの宮廷図書館長官、文部省長官、検閲長官を歴任しました。また、イルミナティの指導的メンバーでもあったそうです。
https://ameblo.jp/agnes99/entry-12179175611.htm

魔笛には元になった童話があります。C・M・ヴィーラントの童話集「ジンニスタン」の中の「ルル、あるいは魔笛」という作品です。このC・M・ヴィーラントは同時代のゲーテやフリードリヒ、シラーと並ぶほど大きな影響力をもった人物で、やはりフリーメーソンリーだったようです。

さらに、ゴシップ記事を書く新聞記者にもフリーメーソンの関係者は数多くいました。ここまで条件が揃うと、モーツァルトの死についていくらでもねつ造することができます。

死の真実ははっきりとは分かりませんが、近年の事例と照らし合わせて考えられることの一つは『生贄』です。

おそらく『魔笛』の中に、フリーメーソンイルミナティにとって知られたくない秘密があったのでしょう(その秘密が何かということについては、後ほど私の考えを述べたいと思います)。そのことで責められたシカネーダーが、モーツァルトに責任をなすりつけて命を奪い、同時に生贄としてサタンに捧げることにより、自分たちの地位の安泰とオペラのヒットを図ったのではないでしょうか。

シカネーダーもスヴィーテン男爵も、そしてC・M・ヴィーラントも、それぞれ地位も名誉も財産もあります。これらを守るために、豊かな才能をもちながらも経済的には破綻していたモーツァルトと、その不倫相手を妻に持つホーフデーメルを利用したのではないでしょうか。

前述の、ホーフデーメルの最後の怒声「死ななくちゃならんのだ!」には、組織の中で命令されて逃れようがなく、犯罪に手を染めてしまったホーフデーメルの悲痛な心の叫びが込められている気がします。

「生贄としてサタンに捧げる」と書くと、ほとんどの方は「何それ?」と驚かれると思いますが、生贄に関する儀式は世界中で行われてきました。当然、この日本でも。
http://rapt-neo.com/?p=30573
http://rapt-neo.com/?p=33512
小林真央が死んだのも、生贄として捧げられたからでした。
http://rapt-neo.com/?p=44568
また、三浦春馬も死んだのではなく、小児性愛者の秘密を暴こうとして殺され、しかも生贄として捧げられたと暴かれています。

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http://rapt-plusalpha.com/society/post-16557/

http://rapt-plusalpha.com/society/post-16623/

http://rapt-plusalpha.com/society/post-16694/

http://rapt-plusalpha.com/performing-arts/post-17815/

http://rapt-plusalpha.com/society/post-18060/

魔笛』に話を戻します。

前述のとおり、「6」は悪魔崇拝者が好んで使う数字です。それが作品の随所にちりばめられていますので、この作品の成立に悪魔=サタンが関わっていることは疑う余地がないと思います。

さて、前述の「フリーメーソンイルミナティにとって知られたくない秘密」についてですが、私は魔笛のストーリーにあると考えています。

このことについては以前、ラプトブログに投稿させていただきました。
http://rapt-neo.com/?p=23190
一部を抜粋して掲載します。

『ザラストロと敵対するのが夜の女王です。この関係は、ひょっとすると太陽派と月派の争いの暗喩でしょうか。

劇中、夜の女王の娘であるパミーナはザラストロにつき、ザラストロのもとにいたモノスタトスは夜の女王につきます。彼らお得意の寝返りや裏切りもストーリーに組み込まれています。

ザラストロの登場シーンには、大勢の群衆が伴います。対して夜の女王には、モノスタトスを入れても仲間は5人です。当時は太陽派の勢力が大きかったのかもしれません。』

このように、魔笛のストーリーはイルミナティ内部の争いや、それぞれの勢力の様子がわかる内容になっていたのではないでしょうか。また、彼らにとっては日常茶飯事の造反や裏切り、寝返りが描かれているのも、イルミナティフリーメーソンにとってはマイナスイメージがつくために懸念されたのかもしれません。

とにかく、モーツァルトは殺害され、真相を知る者たちには口止めが行われました。
不倫相手のマグダレーナは、夫ホーフデーメルが死んでしまったので収入がなくなりましたが、年金が支給されました。その額は年間で560グルデン。ちなみにホーフデーメルの年収は400グルデンでした。1グルデンは、下記サイトによると、モーツァルトとほぼ同時代のシューベルトの手記から日本円に換算するとだいたい3千円~5千円ぐらいではないかということです。
https://ameblo.jp/pierottlunaire/entry-12232961419.html

ホーフデーメルの年収は多く見積もっても200万円。生活は苦しかったと思います。
ふつうに考えて夫の年収を超える年金を妻が受け取るというのは考えられないことですが、マグダレーナは日本円で280万円の年金を得ています。

さらに、モーツァルトの妻コンスタンツェは、夫の収入が僅かだったのにも関わらず、800グルデンもの年金を受けています。日本円換算で400万円。ホーフデーメルの倍の年収です。

スヴィーテン男爵はコンスタンツェから、年金をもらう代わりにモーツァルトが死んだ場合には遺骸を機敏かつ決定的に消去することの同意を取り付けています。

うがった見方ですが、仮にモーツァルトが毒を盛られていたとすると、実行犯として一番可能性が高いのは妻であるコンスタンツェでしょう。

しかし、わずかな収入しかなかったモーツァルト家に毒物を購入するお金があったとは思えません。

もしかすると、モーツァルトの遺骸を処分する同意書を取り付けたスヴィーテン男爵も毒殺に関わっていたのかもしれません。800グルデンの年金は、口止め料としては十分でしょう。

モーツァルトの死にコンスタンツェは立ちあっていません。最期をみとったのは義理の妹のゾフィー・ハイベルと、コンスタンツェの不倫相手で、モーツァルトの弟子だったジェスマイヤーだけでした。クロセット医師は検死を行わず、遺体は黒い死に装束に包まれ、頭に頭巾がかけられて顔が見えなくしてあったそうです。

その日のうちにシュテファン大聖堂で最後の祝福が行われ、夕方遅くには共同墓地に埋められたそうです。棺には誰も付き添わなかったそうですので、どこに埋められたのかもわからない状況でした。

ちなみにウィーンの新聞各紙は、ホーフデーメルの事件をモーツァルトの死亡とは全く関連のないものとして扱いました。しかし、サリエリが毒殺したという誤報は大々的に報じられたそうです。

下記サイトによると、当時のウィーンの新聞各紙の多くはフリーメーソンの息がかかっていたと言われていたそうです。
http://urbanlegend999.web.fc2.com/01/page1_07.html

こうして見ると、モーツァルトは明らかに殺されています。ここまで組織だって全てを行えるのは、フリーメーソンイルミナティの仕業と考えるのが一番すっきりするようです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(参考文献:『ジュール・ヴェルヌの暗号』(ミシェル・ラミ著、高尾謙史訳))